takedabase~竹田校×メタバース~①メタバースとの出会い
仮想空間で自分の分身を使ってコミュニケーションができるメタバース。近年、世間から大きな注目を集めているメタバースですが、主にゲームやエンタメで広く利用されている一方で、3Dの没入型の体験を提供できる相性の良さから、学校教育の現場への活用も注目を集めています。
(参考URL:https://metaversesouken.com/metaverse/case-study-education/)
竹田校でも、昨年度、総合的な学習の時間に調べたことを発表する際に、県内外の特別支援学校や団体など多くの人たちに向けて発信するために、メタバースを活用しました。この連載では、メタバースと竹田校の歩みを少しずつ御紹介していきたいと思います💁
『メタバース』とは
メタバースとは「超越」を意味する”メタ”と「世界」を意味する”ユニバース”を組み合わせた造語で、「インターネット上に構築された三次元の仮想空間」のことです。
メタバースでは現実世界と同じようにさまざまな建物が立ち並び、ユーザーは自身の分身である「アバター」を使って、好みの服や靴、帽子等のアイテムを着用し、自由に空間内を散策したり、他のユーザーとコミュニケーションをとったりして楽しむことができます。『マインクラフト』や『あつまれ どうぶつの森』などが、メタバースを活用したゲームの代表例として挙げられます。
コロナ禍によりリモートワークの割合が増加してからは、様々な会社がVR空間内でミーティングができるサービスを提供するなど、メタバースの用途は拡大してきています。
メタバース活用のきっかけ
令和4年度、本校中学部3年生は総合的な学習の時間に、生徒達の興味関心のある『東日本大震災』を大きなテーマとして学習することにしました。学習指導要領に基づき、東日本大震災の学習をとおして、今後自分たちが福島県民としてどのように生きていきたいかを考えることを学習の最終目標としました。
学習を進めていくにあたり、生徒自身の状態や感染症の拡大等によって実際に現地に赴けない際に、オンラインで活動することを想定し、テレプレゼンスロボットを借用できないか、『Eyes,JAPAN』さんに相談しました。『Eyes,JAPAN』は、4年前から連携・協力関係にある地元のIT企業です。
相談の際、今回の学習の趣旨や学習の成果を発表する相手等についてもお伝えすると、発表の場としてメタバースを活用してはどうかという話がありました。発表をする相手が竹田校に来て話を聞くことが難しい方々であることを鑑み、時間や場所、また、性別や容姿にもとらわれない発表の場として良いのではないかと提案してくださったのです。さらに、Eyes,JAPANの皆さんが全面的に協力してくださるとのことでした。
後日、生徒達にそのことを伝えたところ、「ぜひやってみたい。」と意欲を示したため、メタバースの活用を決意しました。
これが、竹田校とメタバースの出会いです。
竹田校のメタバース『takedabase(竹田ベース)』
学習成果の発表の場としてメタバースを活用するにあたり、自分達が作るメタバース空間に名前を付けようという話になりました。
そこで付いた名が『takedabase(竹田ベース)』。
「僕たちが作ったメタバース空間がどんな人達にとっても居心地の良い空間になりますように」という願いを込めて、生徒全員で名付けました。
生徒は皆メタバースに触れるのは今回が初めてでした。ここから、活用に向けて試行錯誤の日々が始まりました。
次回は、メタバース活用に向けてどんな学習に取り組んだか、またその活用の実際等について御紹介したいと思います。