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takedabase~竹田校×メタバース~④メタバース活用のこれから 

 自分の分身を使ってコミュニケーションができる仮想空間として、近年、世間から注目を集めているメタバース
 この連載では、そんなメタバース竹田校の歩みを少しずつ御紹介していきたいと思います💁‍♀️

☟前回の記事「③メタバースの活用の実際 その2」はこちら♪

活動を終えた生徒達🧑

 メタバースでの発表を終え、また、東日本大震災の学習も終了したあとに、反省をしました。東日本大震災の学習をとおして、これからの自分の生き方を必死で考え、1つの答えにたどり着いた生徒達は、充実感と達成感を感じていたようでした。
 メタバースの活用については、「アバターだったからいつもより緊張しなかった。」「みんなの声がはっきり聞こえた。」、「個性的なアバターが多かった。」などという感想が聞かれました。

これまでの学習を振り返ります📝

 相手の話を相槌をうちながら聞くこと質問をして話を引き出すこと苦手としていた生徒達に、メタバース内で参加者の話を聞いていたとき、それらのことができていたと伝えると、「そうだったっけ。」「なんか、自然とそうなっていた。」という反応が返ってきました。ほとんど意識せず行っていたようで、自分達も驚いている様子でした。『takedabase(竹田ベース)』の雰囲気がそうさせたのでしょうか。 
 今回の学習に取り組んだことで、生徒達に大きな変化があったわけではありません。ただ、VRゴーグルの操作技術を習得したこと震災について調べ尽くしたこと様々な方々と一緒に活動に取り組んできたことなどが自信につながり、以前より少しだけ積極性や主体性が向上したように思います。

学校での成果発表時の様子
堂々と発表しています🙂

私たちの取り組みの一方で👨‍🎓

 以前もお伝えしましたが、今回の活動を行うにあたり『Eyes,JAPAN』(会津若松市内のIT企業)さんはこの活動のためだけのプロジェクトチームを立ち上げ、私たちを支援してくださいました。
 チームのメンバーには、会津大学院に所属されている方もいらっしゃいました。これは、のちに知ったことですが、院生の皆さんは『特別支援教育におけるメタバース活用』というテーマで研究を行っており、彼らにとって私たちは、研究に協力するモニター校という位置づけだったのです。
 連携団体として、多大な御支援をいただいた『Eyes,JAPAN』の皆さんに、このような形で貢献できていたことを知り、大変嬉しく思いました。
 
彼らは特別支援教育にメタバースを取り入れることで、児童生徒の可能性を広げられるのではないかという仮説のもと、研究を進めていました。

 私たちも会津大学のコンファレンス(国際会議)に参加させていただき、研究の成果を聞くことができました。研究のまとめでは、特別支援教育にメタバースを取り入れ、一定の成果が得られた一方で、通信環境を整えることセッティングの難しさが課題として挙げられていました。

研究チームの皆さん
全て英語での発表です👀

メタバース活用の成果と課題📃

 私たちにとっての今回の活動におけるメタバース活用の成果と課題は以下の通りです。

 大学院の研究チームの皆さんが課題として挙げていたことは、私たちが実感した課題でもありました。
 実際、今回の活動を行う過程で、竹田校だけでなく参加してくださった学校の通信環境を整えるために割いた時間やコスト大きなものでした。
 メタバースを活用するにあたりハード面の課題をクリアすることは、特に学校という現場においては難しいと感じます。

メタバース活用のこれから💡

 成果と同じくらい課題も多いメタバース活用ですが、しかし、竹田校のような病・虚弱の特別支援学校に在籍する児童生徒にとって、時間や場所を選ばない点自分の容姿等を自由に設定して活動できるという点は、児童生徒の活動の幅を広げ意欲向上につながるという面において重要なメリットになり得ると私たちは考えています。
 その足掛かりとして、当面は『takedabase』を作る際に生徒達が考えた「どんな人達にとっても居心地の良い空間」をコンセプトに、「様々な立場の人たちが同じ空間に集まり、気持ちを伝え合う場」を継続的に提供できる体制を整えていく予定です。

教育の新たな可能性を示してくださったEyes,JAPANの方々✨
『バーチャル竹田校』も夢じゃない⁉
プロジェクトチームの方々をはじめ
Eyes,JAPANのスタッフの皆さん
1年間本当にありがとうございました😊

おわりに✋

 今回は、メタバースに焦点を当てた内容でしたが、VRゴーグルは他にも様々な活用の仕方があります。竹田校では、生徒達が修学旅行に行った際に、360°カメラで撮影してきた『浪江町立請戸小学校』の動画VRゴーグルで視聴することで、震災遺構の疑似見学を行い震災学習に生かしたり、けが等により下半身を動かすことが難しい児童生徒の運動量を確保するために、上半身を動かして取り組めるゲームアプリを活用したりもしています。

 ☟請戸小学校の360°動画を御覧になりたい方はこちらから♪
  ※画面をスワイプしたり、左上にあるカーソルを動かしたりすると
   全方位見ることができます。VRゴーグルを通して見ることでさらに
   臨場感がUP
します!

 今回の成果と課題を活かしながら、これからも児童生徒の可能性を広げるために、メタバースを含めVRゴーグルの効果的な活用の仕方を模索していきたいと思います。 

様々な方に支えられて駆けぬけた1年間🏃‍♂️
御協力いただいた全ての方に
感謝申し上げます😌

 ここまで、竹田校×メタバースの記事を読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました!